開業前の貴重な時間を
書面作りに悩まないで、事業をよくするために使いましょう。

あなたがやらなければならないことは山のようにあります。

いい事業計画書ができたから、いい事業計画になるわけではありません。
いい事業計画を考える過程でいい事業計画書ができあがるのです。

そして、しっかりした事業計画を考えたから融資も下りるのです。

事業計画書の複雑な計算書を作っていると、事業を進めている気になるかもしれません。
でもそれはあくまで、あなたの決めた条件を検証している作業にすぎません。

本当に大事なことは、どうすれば事業が成功するのか考えることです。
やらなくて済むことは誰かに任せましょう。
そのためには、事業計画書の構造・項目・優先順位を把握することが大切です。

このブログは事業計画書作成システムの第3回リニューアルと直営サイト開設に向けて、
事業計画書の意味・目的・構造を見つめなおした内容がもとになっています

目次

何をするのか?何から始めるのか?どこで終わるのか?

「事業計画書を作ることは事業計画を作ること」です。
あなたの事業計画はあなたしか作れません。
だから、あなたの事業計画書は、あなたが作るしかないのです。

何とか大事な部分だけに集中して、作業を減らす方法はないのでしょうか?

新時代の事業計画書は、それを可能にしています。
その構造を基準にすると、事業の成功に重要な部分だけに力を注ぐことができます。

やることはすでに決まっている

新時代の事業計画書では、あなたしか考えられない部分と、
高度な知識が必要だがあなた以外でも作成できる部分に、
事業計画書の構造を2分することに成功しています。

絶対にあなたが考えないといけないのが、「計画編」。
逆に、自分で作らないほうがいいのが、「計算編」です。

これだけでも、作業は7割がた減らすことができますが、
楽になると考えずに、「計画編」にもっと力を注げると考えましょう。
事業の成否は、すべて「計画編」にかかっているのですから。

事業計画書の構造については
「役割別に考えるとよく解かる!これが事業計画書の構造だ」
で、詳しく説明しています。

すべての始まりはコンセプトにある

事業計画書作りにおいてあなたが行うことは、
計算作業を除けば、大きく3つの項目に分けて考えることができます。
そしてその順番がそのまま優先順位とな値ます。

1.事業のコンセプトづくり
事業の狙いや方向性を考え、まとめる作業
この作業をコンセプト・ワーク、まとめたものをコンセプト、
わたりやすく図形化したものをコンセプト・チャートと呼びます。
コンセプトがないと様々な計画の条件が決められません。

*この部分の作成支援ツールとして「コンセプトメーカー」を
無料でご提供しています。図 青の部分に対応しています。

2.事業の各種条件の決定
収支や資金の計算、初期投資、実際の運営に必要な各種の条件を仮定する作業
コンセプトに基づいて、条件を定めていくことで事業の基本構造ができあがります。
一般的な事業でも、決めなければならない条件は軽く100を超します。
計画の条件をリストアップし、コンセプトと調査内容に基づいて決定していきます。

*この部分の作成支援ツールとして「条件シミュレーター」を
無料でご提供しています。図 緑の部分に対応しています。

3.計算・分析帳票の検証と各種条件の変更
計画の条件さえ決定すれば、サービス利用で計算や分析帳票が作成されます。
ただし、受け取って終わりにしてはいけません。
それは、あなたが決めた条件で計画を検証したものにすぎません。
検証結果を見て、改善策を考え、条件を修正することが大切なのです。

*この解説は、次項「検証と改善を繰り返して完成する」で行います。
資金や収支の検証は、前もって「条件シミュレーター」で行うこともできます。

対外的な事業計画書は、「2.事業の各種条件の決定」とサービス利用でできあがります。
見た目は、同じかもしれませんし、求めに応じて提出することもできます。

しかし、成功する事業を計画するには、
「1.事業のコンセプトづくり」と「3.計算・分析帳票の検証と各種条件の変更」
が欠かせないのです。

検証と改善を繰り返して、事業計画書は完成する

新時代の事業計画書は、デジタルの良さを最大限活かした動的な構造。
最大の進化は、修正に素早く対応できることにあります。

そのことで、事業計画を検証し、改善点を見つけ、修正を繰り返して、
成功の可能性の高い事業計画を作り上げることを可能にしているのです。

下記の5項目を検証し、
問題があれば、
改善策を考えましょう。

 

 

 

 

 

1.開業の可能性をチェック
 初期投資に必要な資金の確保ができているかどうかを
 初期投資計画表で確認します。
 融資に使用する場合は、見積もりとも合わせる必要があります。

2.利益をチェック
 事業が軌道に乗った段階で、利益が上がるかどうかを
 収支計画書で確認します。

3.資金の回収をチェック
 初期投資の費用が回収できるかどうかを
 資金計画書で確認します。
 再投資が必要な計画では、回収時期も重要です。

4.短期資金繰りをチェック
 費用の支払いと売上の回収までの時間差による資金不足が発生するかどうかを
 資金繰り表で確認します。
 事業の規模が大きく、潤沢に予備費がある場合は必要ありません。

5.計画条件の実現性をチェック
 人件費率・原価率などの指標が、現実的かどうかを
 業界の指標と比べます。
 比較表がサービスに含まれていれば、簡単ですが、自力でも可能です。

事業計画書の全てを自分で作ってはいけない3つの理由

いきなり収支計画を作ろうとされる方も多いのですが、
収支の計算をするためには、売り上げや原価、人件費などを想定する必要があります。
そして、事業の狙いや方向性が定まっていなければなりません。
そうでないと、販売価格やサービスの質、施設・設備のグレードなどが決まりません。

収支や他の計算帳票を作成するのは、想定した計画を検証するための作業にしかすぎません。
検証作業より、検証結果を見て、事業計画の改善につなげることが重要なのです。

時間・・・・時間を損するので、他のことができなくなります。

事業計画書を作成さえすれば、事業が成功するわけではありません。

マーケットの把握、他との差別化、適正な売値の把握、コスト削減の仕組み、品質管理、
集客の方法、平均客単価UPの仕組み、固定客確保の仕組みなどなど、
事業を開始する前にやらないといけないことは山のようにあります。
事業計画書を作成するにも、条件を定めるために見積もりを取ったり、
現地調査やアンケート調査をするなどは、自分たちで行わなければなりません。

事業計画書は要点が分かりやすくできていればよく、
凝ったデザインや特に変わった帳票は必要ありません。

しかし、
自分で事業計画書の計算帳票まで作成するには、
事業計画書の知識は当然ですが、
パソコンや使用するソフトの知識も必要です。

その知識があったとしても、
一から帳票化するには
かなりの時間と作業を伴います。

 

達成感・・・作ることに満足して肝心なことがお留守に。

自力でうまく事業計画書の計算帳票を作ることができたとして、
あなたにとってどのようなメリットがあるのでしょう?

あと何回も事業計画書を作成するのでしょうか?

あなたの目的は、
事業を成功させることであって、
事業計画書が作成できるようになることではありません。

確かに、事業計画書に対する理解が深まり、
パソコンの操作もうまくなるでしょう。
しかも、計算帳票を作成している間は、
事業を進めている気になります。
さらに、作成費の削減になるかもしれません。

 

しかし・・・・・・・
本当に事業の成功に役立つものができたのでしょうか?
事業全体で考えると、失った時間や労力の方が大きいのではないでしょうか。

努力・・・苦労して作れば作るほど、変更が苦痛になってしまいます。

事業の条件を確定し、事業計画を固めるのに役立つような事業計画書は、
それ自体にシミュレーション機能を備えている必要があります。

もう少し客単価を下げれば?アルバイトの人数を増やしたら?家賃はいくらぐらいなら?
というような条件変更で、
事業計画が成り立つのかどうかを判断するための機能が必要なのです。

そして、そのような事業計画書を作成するには、情報処理の知識が必要になります。

借入金利が変わると返済額が変わり、収支計算や資金計算も変わります。
というように事業計画書の各数値はそれぞれ関係しており、
何かを変更すれば、ほとんどの帳票の数値が変わってしまいます。

シミュレーション機能を持たない事業計画書を自分で作成するということは、
何かを変更したり、試してみたりするたびに、各帳票の数値を入れ替えたり、
計算しなおしたりしなければならないということ。

そしてそれが面倒なため、
変更を行うのをやめてしまう
という本末転倒なことが起こりかねません。

事業開始前の貴重な時間や労力。
それを無駄にしないために、
できるだけ計画自体に集中しましょう。

計画を検証するための計算帳票を作る作業は安いところに任せてしまうことが得策です。

サービスの選び方・使い方

作成サービスを利用し、作表や計算に苦労することなく、
計画自体に集中されることを強くお勧めしますが、
そのためには、適切なサービスを選ばなければなりません。

ここを誤るとお金や時間だけでなく計画そのものも危ういものになりかねません。

絶対に避けたい融資申請のための作成サービス

融資申請のためだけに事情計画書を作成するサービスは絶対に避けましょう。

作成目的が融資を通すためになってしまい、
そのために現実の事業では実現できない内容になる可能性があります。

繰り返しますが、事業計画は実現できる計画を作り上げるためのもの、
それがいい計画だから融資が下りるのです。
融資が下りるように計画書の数字だけいじっても、
融資は下りたけど借金だけが残ったということになってしまいます。

現状、融資のために事業計画書を作るということが、当たり前のように言われています。
それを前提に、融資の獲得率をアピールしたり、成功報酬型のサービスも現れています。

このような流れのサービスで、
事業計画書を作ると、
ゴールは、融資の獲得、
つまりあなたに借金ができた地点ということになります。

 

その後始まる事業については、どの事業計画書を見ればいいのでしょう?

作成サービスを選ぶ条件

事業計画書を作成してくれるサービスは、数多くありますが、
どこでも同じというわけではありません。

事業に役立ち、融資にも強い、そんな事業計画書を作るためには、
絶対に必要な要素があります。
以下に、そのポイントを上げておきますので、サービスを選ぶ基準にしてください。

1.必要な計算帳票が揃っていること

ここで作ってもらう事業計画書は、あなたが決めた計画の条件を検証するためのもの。
融資申請に使用する可能性もあるかもしれません。

計画の成立を検証する
・初期投資計画表
 ・減価償却計算表
・通期収支計画表
 ・借り入れ返済計算表
・通期資金計画表
 ・短期資金繰り表

融資申請に必要
・初期投資計画表
・初年度月別収支計画表

計画の成功の可能性を検証する
・各種分析帳票

というような内容が、必要です。

2.作成時間が早く、修正が容易であること

あなたがが考えた計画条件で事業が成立するかどうか、成功しそうかどうかを検証する。
それが、事業計画書の最初の役割。

条件決定後、事業計画書の作成に時間がかる、修正に気楽に対応できないとことでは、
計画を改善していくためには使えません。

資金の確保ができ、いよいよ事業化というときにも、
計画と現実の条件が変わってしまうことはよくあること。
変更が素早く反映できなければ、現実とは異なる事業計画書を抱えることになります。

この、作成のスピードと修正の容易さが、
事業を改善するために事業計画書が役立つかどうかの境目。
作成サービスの価値を大きく左右するポイントです。

3.作成の条件設定がしっかりしており、解かりやすいこと

作成サービス側が事業計画を立てることはできません。
すべての帳票はあなたが伝えた計画の条件により構成されます。

その条件設定項目が、あなたの計画にあっているかどうか、
どれだけ複雑なものに対応できるか、しかも分かりやすく。
ここが、作成サービスを行う側の能力を見極めるポイントです。

たとえは、一般の小売と会員制の事業では、
全く異なった売り上げ計算のための設定条件だ必要になります。
また、曜日や月よる差、事業が軌道に乗るまでの期間の設定など、
きめ細かく配慮されているか見極めましょう。

細かな条件に対応できるかどうかが、計画の改善に重要なのです。

4.修正も含めて価格が明確であること。

事業計画書は、一つ一つデザインを凝るようなものでも、
計算方法を考えるようなものではありません。
条件さえ決まれば、
その計算結果やその数値に基づいた分析結果を決まりきったやり方で処理していくもの。

だから、そんなに高いものではありません。
融資申請用の事業計画書をうたったものには、高価なものもありますが
それされ避ければ、2万~5万ぐらいが、相場でしょう。

ただし、単純に料金を比較しないで、必ず、修正も考慮しましょう。
2回修正したら、3回なら、という風に考えておくことが
料金を判断する場合は大切です。

事業計画書を有効に利用するには、2回~5回程度の修正を見込んでおきましょう。

作成サービスをうまく利用する方法

計画を詰めるために作成の条件項目を利用する

サービスとして事業計画書を作成するには、元となる事業計画の条件が必要です、
事業条件項目を整理し、一覧や質問形式にしたものがよく用いられます。

逆に考えれば、これは事業を考えるための要素を整理してくれているもの。
あなたの事業コンセプトをベースに、必要な要素を詰めていけば、
事業計画のほとんどの帳票ができてしまうという訳です。

この事業条件の項目があまりに簡単なところは避けましょう。
よくできたものを利用して、計画の漏れや不完全な部分を埋めていきましょう。

さっさと作って初期の事業計画書を手に入れ、修正する

一回目の事業計画書はとにかくさっさと作ることがおすすめです。

そうすることで、事業計画書というものの実態を掴むことができ、
帳票の数値を通じて、どこに問題があるのかが明確になります。

事業計画書を判断して、問題点を洗い出し、計画を修正していく。
ここにこそ、事業計画書本来の役割があるといえます。
この繰り返しが、良い事業計画を作り上げていくのです。

実行段階や運営段階用に、さらなる修正を加える

融資申請に用いたからと言って、もう修正しないでいいわけではありなせん。

様々な費用や条件が固まったら、
実行段階や運営段階で、より現実な数値への修正を加えましょう。

そうすることで、事業計画書はずっとあなたの事業に寄り添う
貴重なパートナーであり続けることができるのです。  


まとめ

B さん
なんだ、自分で全部作らなくていいだね!
新時代の事業計画書では、絶対に自分で考えなければならない計画部分と、
検証や分析のための計算作業に、事業計画書を分けて考えています。

計画部分をしっかり考え、計算や分析帳票を見て、必要な修正を加える。
それを可能にするためには、計算や分析帳票は、頻繁な修正にこたえられるように
すべての計算や数値は連動されていなければなりません。

これをご自分の事業計画書のためだけに一から作ろうとするのは、
無謀といってもいいほどの時間と労力を要します。

しかも、計算や作表作業は、事業の成否と関係ありません。
事業の狙いや方向性をしっかり考えること、検証結果を計画内容の改善に活かすこと。
それだけが、事業を成功へと近づけるのです。